« 隠岐の島100キロ | トップページ | 2012 萩往還250キロ 1 »

四万十川ウルトラマラソン

5年前、初めて100キロを完走して以来、ナント6年連続で当選している四万十川ウルトラマラソン。

Course_map_full

ここ四万十川では每年自己ベストを更新し、昨年ついに夢のサブ10(10時間以内で完走)を叶えることが出来た。

今年の目標は、もちろん自己ベスト更新。
今年5月末の「えびすだいこく」で9時間44分を出したので、9時間30分台、あわよくばサブ9.5を狙いたいなぁ~なんて欲もチラホラ・・・^^;

6月の隠岐の島、9月の丹後は散々な結果に終わったが、今回は調整もバッチリ!!

昨年のタイム(10キロ毎ラップ)を油性ペンで腕に書きこみ、「昨年の自分」と競争しながら走ろうと思う。

以下、(   )は昨年のタイム。

【スタート前】

少し冷え込んでいるが、震えるほど寒くはなかったので、用意していたビニール袋を被るのはやめた。

前から3列目くらいのところに並んでいると、ラン友のゆうさんとバッタリ遭遇。
ゆうさんは怪我を抱えているらしく、しかも1週間後にはハセツネが控えていて、今回の四万十は無茶はしないとのことだった。

(って、この状態で100キロ走ろうとしていること自体、十分無茶やん・・・笑)

【スタート】

朝5時30分スタート。

20111016053516

昨年はスタート直後の転倒に巻き込まれたので、今回は慎重にスタートを切った。

まだまだ真っ暗な道。道沿いに並ぶ蝋燭のランタンがすごく綺麗~。

数キロ進むとジワジワ上り坂が始まった。
とはいえ、ペースが落ちるほどの勾配ではない。

ウォーミングアップを兼ね、キロ5分ペースを維持して進む。

【10km】 0:51 (0:52)

タイムは昨年とほぼ変わらないが、身体は軽く調子はいい!

徐々に勾配がキツくなってきて、15キロ辺りから本格的に上り坂が始まったが、ペースを落とさず走った。

気が付けば、いつの間にかゆうさんと並走しており、「みんな登りが速いね~」なんて喋りながら坂を登る。

【20km】 1:48 (1:52)

登りでペースを落とさなかったせいか、昨年より4分も貯金が出来た。

峠まであと少し。
一気に勾配がキツくなる。

少し無理しつつ、スピードを緩めずに登り切った。

Img_1062_2

21キロ過ぎの峠を越えると、ここから一気に下り坂だ。

下りはかなり練習したので自信があったつもりだが、前を行くゆうさんは一気にスピードアップし、すぐに見えなくなってしまった。

あれがトレイルの走りなのか、上手に力を抜いてスタスタと小刻みに坂を降りていく。
「上手いなぁ~」なんて思いながら後を追った。

延々と下りが続いたが、足はまだまだ元気なので、キロ4分30秒~40秒のペースで進む。

【30km】 2:40 (2:46)

昨年より6分速い。
足もまだまだ余裕。

この調子で貯金を続ければ、サブ9.5も夢じゃない!!(・・・なんてこの時は思っていた。)

Img_1064

下りを終え、フラットな道に入って暫くは足が重く感じたが、まだまだ元気。

【40km】 3:34 (3:39)

昨年より5分速い。
30~40キロのラップは昨年とほぼ同じ。

ゆうさんがエイドで座っていたので聞くと、やはり足の具合が良くないらしく、来週のハセツネの為に早めにリタイヤするとのことだった。

この辺りから、少しずつ疲労を感じ始める。
思った以上にペースが上がらなくなってきた。

ストレッチをしても、足の筋肉には全く張りはない。脚より、身体に疲労が溜まってきた感じだ。

天気がよく日差しも強くなってきたが、向かい風が強く、体感温度はそれほど高くはない。

【50km】 4:38 (4:44)

丁度半分を走り終えた。
タイムは昨年より6分速いが、この10キロのラップも昨年とほぼ同じ。

う~ん、昨年の自分、結構手強いな~(笑)

55キロ過ぎ小さなアップダウンがあり、登りではかなりペースが落ちた。
さすがにもう登りでペースを維持することは出来ない。

が、脚の筋肉や関節のダメージは殆ど無いので、下りでは一気にペースアップする。

Img_1068

20キロ地点くらいからずっと前後していた長身のランナー(Iさん)と並走することになったので、少しの間喋りながら走った。

カヌー館手前のコースが今年は変更になり、四万十川の左岸川、日陰のコースを走ることが出来た。

【60km】 5:44 (5:49)

昨年より5分速い。
この10キロラップも昨年とほぼ同じ。

62キロ地点の大エイドはスルーするつもりだったが、食事をしたりジュースを飲んだりで、5分ほど余計に時間を費やしてしまった。
(この5分が後半に響くことに・・・)

道はほぼフラットだが、チョットした登り勾配でズンとペースが落ちる。

僕はこの「60km台」というのが、精神的に一番苦手・・・。

だからこそ、ここで踏ん張ってラスト30キロに繋げなければ!!

この辺りで再びIさんに追い付き、暫くの間並走したが、すぐにそれぞれのペースで走ることにした。


【70km】 6:51(6:51)

むむ!ついに・・・昨年のタイムと並んでしまった!!
あぁ・・・大エイドでの5分が悔やまれる。

こりゃ、サブ9.5の夢はお預けになりそうだ。
でも、まだ自己記録更新の夢は残っている!

時刻は正午を過ぎ、日が照ってかなり暑くなってきたので、エイド毎に頭から水をかぶった。

定期的に塩分を取り、熱中症にも備える。

Img_1076

エネルギーを補給すべく、エイドでおにぎりを2個頬張り走りだしたが、唾液が全く出てこず、10分くらいモゴモゴしてやっと飲み込めた。
思いっきりほっぺたを膨らまして走っていたので、応援の人達に笑われてしまった^^;

それにしても全く唾液が出ないってことは、内蔵に疲労が溜まってきたんだろうか??

エイド毎に水分や食料の補給をしているせいで、エイドでのタイムロスが増えてきた。

70キロ台に入り、身体的疲労はドンドン溜まっていくが、精神的にはぐっと楽になる。
残り30キロ、練習で週末走る距離よりは短い。

75キロを過ぎ、一気に脚が重くなった。身体の疲労感もピーク。

「あぁ、疲れたなぁ・・」なんてチョット気を緩めるとすぐにペースがキロ6分を超えてしまうので、「負けんな~負けんな~」と呪文のように呟きながら走ることにした。

この先は体力以上に、精神力の勝負になりそうだ。
(まぁ、いつものことだけど^^;)


【80km】 7:50 (7:51)

昨年とほぼ同じタイム。
この10キロのラップは丁度1時間、キロ6分のアベレージ。
実際にはキロ5分40~45秒程で走っているんだけど、エイドでのタイムロスのせいでアベレージが下がっている。

自己記録を更新するためには、残り20キロを1時間56分以内で走らなければならない。
決して無理なペースではないが、今そのスピードが出せるかどうか・・・。

あと20キロ、昨年はここから失速気味だった。
が、今年はまだまだ脚は残っている(もとい、そんな気がしていた・・)

気合いを入れ直し、腕を大きく振りながら進み、キロ5分20秒~30秒にペースアップしてみる。

Img_1075

心肺機能も脚も平気なのに、身体全体が疲労のせいでとにかく苦しい。
歯を食いしばって必死に走った。

顔をしかめすぎたせいか、目がジワっと潤んでくる。
(幸いにも、サングラスをしているから周りからは気付かれないだろうけど、涙を流しながら走るとか変過ぎるなぁ(笑))

意識が少し朦朧としてきて、沿道の声援にうまく応えることが出来ない。
手を上げて笑顔を作ろうとしても、表情が全く作れないほどグッタリ感で一杯・・・。

だんだんペースも落ちてきた。
GPSウォッチとにらめっこしながらキロ5分40秒を切らないように必死で走る。

このペースだと「9時間44分切り(自己ベスト)」はさすがに無理と判断。
目標を「9時間50分以内」に切り替える。

85キロ過ぎたあたくりだろうか、60キロの部のランナーが後ろから抜いていったので、

「ヨシ!!無理をしてでも根性でこのランナーに着いて行こう!」

と一気にペースを上げた。

GPSウォッチを見ると、キロ5分チョットのペース。

1分程必死に背中を追いかけた・・・が、ここでアクシデントが起きた。

左脚の太腿が一瞬ピクピクっと痙攣したかと思うと、いきなり両脚の太腿が電気が走ったかのように激しく痙攣しだした。

「え・・・?」

ビックリして立ち止まって脚を見ると、足全体にパルス治療器の電気を流してるがごとく、筋肉がビクンビクンと波打っている。だが、脚が「攣った」わけではないので、痛みは全くない。

とりあえずストレッチして先へ進もうとするが、数十秒毎に突然痙攣が起こり、バランスを崩してコケそうになる。

「走っているうちに治るやろ~」

なんて最初は楽観視していたが、逆にだんだん痙攣の間隔が短くなってくる。

塩分が足りないのかと、エイドで塩をどっさり舐めてみたが、治る気配もなく、ただ塩を舐めすぎて気持ち悪くなっただけだった・・・・。

幸いにも痛みはないので、無理なペースアップをせずキロ6分のペースで走る。
ここで、9時間40分台を諦め、目標を「昨年の自分(9時間56秒)」に置き換えた。

痙攣する脚を抑えつつ進み、何とか90キロ地点に辿り着く。


【90km】 8:54 (8:53)

昨年より1分遅い。

ラスト10キロ、本来ならラスト10キロは「ウィニングラン」と称して、気持ちの上では楽しんで走ることにしているが、今回はそんな余裕は微塵もない・・。

痙攣は治るどころか、どんどん間隔が短くなり、2、3歩踏み出すたびに両脚に電気が走り、まともに走れなくなってきた。

たまらずエイドで立ち止まり、脚に冷水をザバザバかけてみると、脚もビックリしたのか痙攣がピタっと治まった。

「おぉ!これや!」

と喜びも束の間、1分も走ると再び痙攣が・・・。

「なんやねん!!この脚!!」

と終いには腹が立ってビシパシと脚を叩いてみたが、どうにもならない。

こうなったら、痙攣を収めることを考えるより、この脚でゴールまで走ることを考えよう・・・と気持ちを切り替え、なるべく痙攣しないフォームを模索しながら走ることにした。

脚の付け根、太腿、脹脛、同時に痙攣が起こるので、一瞬全く脚が役に立たなくなり、何度も何度もコケた。

周りのランナーや沿道の人達の心配の声に、

「大丈夫です!!ただ脚が変なだけなんです~!」

と応える。

コケるとタイムロスになるので、痙攣する脚に全神経を集中させて脚を前へ運ぶ。

特に左足の痙攣が酷く、足先がギギ~っと外側に向こうとするので、力で強引に引き戻す。
何だか、誰かに脚を操られているような感じ。

エイドステーションで立ち止まるのも億劫になり、脚に水だけ掛けてもらい前へ進む。

千切れんばかりに腕を大きく振り反動を付けることで、どうにかキロ6分のペースを保つことが出来ている。

ゴールまであとチョット。

なんとかこのまま脚がもってくれたらいいが・・・。


【95km】 9:26:29 (9:24:45)

あと5キロ。昨年のタイムより2分近く遅い。

もう昨年のタイムとかどうだっていい。
でも、サブ10だけはなんとしても死守したい。

が、気持ちとは裏腹に、脚が前に出ない。
腕振りと重心だけで走ってる感じ。

95キロ過ぎ、あまりの辛さに立ち止まり、屈伸をした姿勢のまま膝を折り、地面に手を着いた。

「20秒だけ休憩しよう・・・」

1,2,3・・・と、土下座しているような格好のまま、頭の中で数える。
数えている間、激しい葛藤が頭をよぎった。

「もう無理をせず、歩いてゴール出来たら楽やろなぁ・・・」

「いやいや、ここでサブ10を諦めたら、今までのトレーニングや、スタートから95キロ頑張ってきたことが無駄になるやん!」

・・・18、19、20。覚悟を決めた。

攣らないように、ゆっくり立ち上がる。

あと5キロ、「何があっても立ち止まらない!」と心に決めて、再び走りだした。



【96km】 9:33:25

この1キロのラップは7分。
休憩した分、タイムロスしてしまった。

ここからキロ6分ペースで進めば9時間57分にはゴール出来る計算だ。

ゴール手前の小さなアップダウンに差し掛かった。

常に脚は痙攣し続けている状態で、特に脚を上げた瞬間痙攣を起こす。
なので、次の着地がまっすぐ前へ出ないので、グネグネと蛇行してしまう。

転ばないように脚を少し広げ、すり足状態でテコテコと変なフォームで走ってみた。
こうすると痙攣してもすぐには倒れない。

もう、格好とかどうでもいい。

とにかく前へ。

【97km】 9:40:15

ヤバイ・・・この1キロで7分近くかかっている。

あと、たったの3キロ。
1キロ1キロが本当に長い。

もう周りの景色や声援も、何も感知出来ないくらいの状態になってきた。

朦朧とする中、時間の計算だけに集中する。

やっと登りが終わり、下り坂。

ここでペースアップ出来れば・・・まだ間に合う。

思い切って脚を踏み出した刹那、激しい痙攣で踏ん張りが効かず、またコケる。

大会スタッフが心配して声を掛けてくれたが、応える力もなく、手だけ上げて「大丈夫」と意思表示し、すぐに立ち上がって再び走りだす。

あまりの不甲斐なさに、脚をパシパシ叩いてみたが、痙攣は収まらない。

歯を食いしばる・・・とにかく前へ。

【98km】 9:46:58

あと2キロで13分。1キロあたり6分半。

「うわぁ・・・めっちゃ微妙・・・」

山道を抜け、ゴール会場が見えてきた。

「あ~~もうすぐや!!」

と、いつもなら直進してまっすぐゴール会場に向かうのだが、今年はコース変更のため、ゴール会場とは逆の右へ誘導された。

「ちょおおぉぉぉ~~!」

心のなかで叫ぶ。(いや、声に出してたかも^^;)

グルッと迂回し、ゴール手前の最後の激坂に辿り着いた。

沿道の温かい声援に応えたいが、全く余裕はない。
顔をしかめ、歯を食いしばって、坂を登る。

ここで脚が攣ったら終わり・・・でも、スピードを緩めると10時間を越える。

「攣るなよ~~!!」

と念じながら必死に坂を上がった。

見上げると「99km」の看板が見えてきた。

【99km】 9:52:55

あと7分5秒。
まだわからない。

どうにか脚が攣ることもなく坂を登り終え、ゴール会場に向かう。

痙攣のせいでまっすぐ走れず、沿道に突っ込みそうになる。

ゴール選手を迎える会場のアナウンスが聞こえきた。

あと、何メートル??

時計を見ると、「9時間57分」。

間に合うのか?!

痙攣する太腿を両手で押さえながら走り、ついにゴール会場の門をくぐった。

が、まだゴールテープは見えない。

アナウンスで自分の名前が呼ばれたので時計を見ると、ちょうど9時間59分を過ぎたところだった。

最後の曲がり角を曲がると、100メートルほど先にゴールテープが見えた。

「うわ、遠い・・・・」

もしコケてもそのまま転がってゴールするつもりで、ラスト100メートルを全力で走った。

ゴール手前、再び時計を見る。

「9時間59分30秒」

ゴールテープは、10m先。

ここでやっと、サブ10を確信出来た。

そのまま、フラフラしながらゴールテープを切る。

・・・・9時間59分38秒。

3度目のサブ10達成!!

Img_1077

とはいえ、10時間まであと22秒・・・本当にギリギリの戦いだった(笑)

Img_1065

 

【ゴール後】

ラン友のゆうさんや、コース上何度も前後したIさんとレース話をし、一緒に写真も撮ってもらった。

座ったままで入念にアイシングを行い、宿に帰るべく立ち上がろうとするが、立った瞬間痙攣が始まるので、30分ほど身動きできず。

「どうしよ・・・これじゃ、宿に帰れへんやん」

途方に暮れながらも、お腹が空いてきたので「温かいうどん」を食べ、汁を飲み干した直後、フッと脚が軽くなり、立ち上がってみたら痙攣は全く収まっていた・・・。

この痙攣の原因は一体何だろう??

普通に考えると「発汗によるナトリウム不足」なんだろうけど、今回はそれほど発汗してないし、定期的に塩分も摂った。

ちなみに、6月の隠岐の島でも似たような症状(今回よりずっと軽いけど)があったが、隠岐の島はめちゃめちゃ暑かったので、発汗も尋常ではなく、あれは確かにナトリウム不足だったと思う。

9月の丹後では、全くそんな症状は出なかった。

隠岐の島と四万十のレースで共通していることは、「前半飛ばした」ということ。
(丹後は調子が悪く、前半から飛ばせなかった。)

過去のレースは「前半抑えて、後半粘る」というものばかりだったが、今年は調子が良ければ前半から飛ばしていこうと決めていた。

となると、やはり筋力不足か・・・もっと練習しなきゃ^^;

来年こそ、サブ9.5(あわよくばサブ9・・・)を達成するぞ~~!!

« 隠岐の島100キロ | トップページ | 2012 萩往還250キロ 1 »

コメント

ちょっと!!ピンチじゃないですか
自分の体ってわかりませんね・・・?

脚がおかしくなって
弱い自分を感じながら
『でも前に進むんだ』なんですよね!!

終わって、しばらく経ってみると
『あの時、あの状況でよくやったよな~』って
武勇伝になるんですよね(笑)

>manamanaさん

かなりピンチでした(笑)

確かに後日ネタに出来るようなレースでしたが、あの80キロ以降の葛藤は、当分味わいたくないです^^;

それにしても、あの痙攣の原因は何だろうか・・・?

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 隠岐の島100キロ | トップページ | 2012 萩往還250キロ 1 »