« 2013 えびす・だいこく100キロマラソン | トップページ | 第2回美作・後山24時間リレーマラソン(個人の部) »

第8回 隠岐の島ウルトラマラソン

2012_map

2007年の「第2回大会」から毎年出場し、今年で7回目となる隠岐の島ウルトラマラソン。

今年完走できれば、7回完走者の称号である「レインボーメダル」が授与される。

何としても完走だけは死守したい。

欲を言うと、やはり「サブ10」を目指して走りたいところだが、この隠岐の島のコースは簡単にサブ10が狙えるほど甘いものではない。

スタートからゴールまでアップダウンの連続、さらに30度近くまで上がる気温が容赦なくランナーの体力と気力を奪っていく。

Vmap

隠岐の島での「サブ10」という目標は、他の比較的フラットなコース(赤穂や四万十川)での「サブ9」や「サブ8.5」に匹敵すると思う。

今の自分にはそこまでの走力はないだろうから、せめて昨年出したコースベスト(10時間51分)の更新、さらには10時間半を切って少しでもサブ10に近づきたいところだ。

今年のウルトラは、5月初旬の「萩往還マラニック250㎞に始まり、その約2週間後に赤穂ウルトラ100㎞、さらに1週間後にえびす・だいこく100㎞と続いている。

そのえびす・だいこくから3週間明けての今回の隠岐の島ウルトラマラソン。

1ヵ月半の間にウルトラ4本(うち1つは250㎞)という無謀なスケジュールの、隠岐の島はその最終戦でもある。

連戦の疲労や、故障の不安はほとんどないが、レース後はリカバリーに多くの時間を費やしてしまい、そのせいで練習不足(特にアップダウンの練習)になってしまったことがちょっと不安。

ま、そんな事前の不安なんて、走り出してしまえば考える余裕さえなくなるけど(笑)

そうそう、今回は隠岐の島ウルトラに向けてある対策を講じた・・それは「耐暑」。

もともと暑い中でのランニングに弱く、猛暑のレースではいつもヘロヘロになってしまう。
実際、過去サブ10を達成したレースは、すべて気温の低い日のレースだった。

いろいろ考えた結果、「暑さに強くなるためには、暑い中走って身体を慣れさせるしかない」という結論に達し、仕事の昼休憩中に耐暑ランニングをすることにした。

休憩は1時間しかないため、実際走ることができるのは30~35分ほど。

あえてスピードを上げて身体に負荷をかけ、身体の中からも体温を上昇させるように走った。

これが意外に効果があり、最初はぶっ倒れるんじゃないかと思うくらい苦しかったが、最近では炎天下でもキロ4分半くらいを維持できるようになってきた。

さらには、冷房のせいで耐暑能力が落ちることを恐れ、職場でクーラーが付いている時は、フリースを一枚羽織り、さらにはマスクまでして、「涼しさ」から身を守った(笑)

さて、今年の隠岐の島ウルトラマラソン、どんなレースになるんだろう・・・不安どころか、ワクワク感でいっぱいだった。

【レース前日】

例年通り、午前中の仕事を終え七類港へ向かう。

昨年は待合室で川内選手と会うことができたが、今年は居ないようだ。
招待選手ということで、今年は早めに現地入りしているのだろう。

1

高速船(レインボー)で島に渡り、循環バスで受付会場に到着すると、丁度会場から出てきたWさんとバッタリ遭遇。

前夜祭の会場では、昨年で7回目の完走を達成したランナーに、レインボーメダルの授与が行われたらしい。

てことは、今年完走しても、来年参加しないとレインボーメダルは貰えないってことかぁ・・・^^;

Wさんも今年完走すれば7回目となるので、お互いにレインボーメダルの獲得を誓い合う。

Zek

※ゼッケンには、チャレンジャーステッカー(レインボーメダル挑戦者)


【スタート前】

スタートは5時なので、3時には起床し食事を済ませる。

今年はラッキーにもスタート会場の目の前のホテルに宿を取れたため、朝食後はいつもよりゆっくり準備できた。

コースベストである昨年の10キロ毎の通過タイムをマジックで腕に書き込む。

Ude

今年は、この記録と戦うつもり。

部屋で入念にストレッチを済ませ、4時半過ぎにホテル前のスタート地点に向かった。

At

荷物を預けに行く途中、萩往還でもお会いした山口の女性ランナーのSさんとすれ違い、挨拶を交わす。

Stu

大勢のランナーの中、再びWさんとも会うことが出来た。

スタート5分前になったので、スタートライン近くに移動し待機。

スタート会場には、隠岐の島ウルトラ名物の元気な女性MCの声が響き渡っていた。

【スタート】

5時になり、号砲・・・がアクシデントで鳴らず、急遽MCの声でスタート。

沿道の声援に手を振り応えながら、キロ5分ほどのスピードで進む。

調子のいい時は、スタート直後は4分半くらいまでスッと上がるのだが、今はやや身体が重い感じがする。

まぁ、スタート時の体調なんて100㎞の長丁場では走っているうちにドンドン変化するので、たいして気にしていない^^;

スタートから数キロ進んだが、まだトップを率いる先導車が見えている。

暑くなるであろう後半に備え、トップ選手もペースを抑えているのだろうか。

5キロ程進み、早速登りが始まった。

Vmap_2

かなりの急坂だが、まだスタート直後ということで、周りのランナーはハイペースで登っていく。

Saka

周りのスピードに流されないように、「脚に疲労を感じない最大限のペース」に抑える。

と、ここで(確か昨年もこの坂でお話しした)島根から参加のYさんと並走状態になったので、話をしながら進んだ。

この方、例年この隠岐の島のコースを9時間台で走るすごいランナーさん。

暫く一緒にお喋りしながら坂を登ったが、さすがにペースが速く、気が付けば脚に疲労が溜まり始めたので、すぐに速度を落としマイペースで坂を登った。

峠を越え、ハイペースで一気に坂を下る。

【10㎞】0:52/0:52(0:52/0:52)

※10㎞ラップ/通過タイム、カッコ書きは昨年、以下同様。

入りの10キロは昨年と全く同じペース。
ここまでは計算通りだ。

レース直前の練習中に痛みがあった左膝も、今は全く問題はない。

Saka2

右手に海を眺めながら、小刻みなアップダウンを進む。

0607

(2年前コースミスした)長いトンネルを通過。

空気がひんやりしていて気持ちがいい。

20キロ地点手前、たくさんの島の人たちが太鼓を叩いたり、旗を振ったりして応援してくれていた。
Oue

隠岐の島の応援は、本当にスゴイ。
島全体がウルトラマラソンムードって感じ。

(隠岐の島ウルトラマラソンの他のレースには無い独特なアットホーム感は、この島の人達の応援のおかげだと思う。)

1

途中、トイレに寄って2分ほどのタイムロス。

出発しようとしたとき、偶然にもmakoさんとバッタリ遭遇(笑)
軽く挨拶を交わし、先へ進んだ。
   
【20㎞】0:57/1:49(0:54/1:46)

トイレ休憩のせいもあって、この10㎞で3分を失った。
調子が悪いわけではないが、いまいちスピードに乗れないのがチョット気になる。

0654

湿度が高いせいか、全身から汗が噴き出てはくるが、曇っているため体感温度はさほど高くない。

この天気がゴールまで続いてくれればいいんだけどなぁ・・・。

小さなアップダウンを2つ越え、26.5㎞地点の第9エイド(さざえ村前)に到着。

Sazae

水分補給を済ませ、海苔巻きを食べながらエイドを出発した。

Nori

エイド直後、沿道の子供にハイタッチを求められたが、両手が海苔巻きで塞がっていたため出来なかった^^;

その後すぐに上り坂が始まった。

Sakaza

ついに前半最大の難所にアタック開始。

ここから33㎞過ぎのコース最大標高まで延々と上り坂が続く。

Vmap_4

登りに入った途端、全身からドッと汗が噴き出てきた。

スタート時から熱中症予防として携帯している「塩のタブレット(アスリートソルト)」を噛み砕き、水で流し込む。

この塩タブレット、めちゃめちゃ塩辛くて後味も悪いが、レース後半の熱中症による痙攣を防ぐ為なのでしょうがない。

登っても登っても、これでもかというほど坂道は続く。

11

「歩きたい、休みたい」という気持ちを抑え、必死に走って坂を駆け上がっていると、何だか次第に気分が悪くなってきた。

それでも我慢して登っていると、突然激しい倦怠感に身体が包み込まれた。

頭がぼんやりして、身体に力が入らない。

「やばい・・・しんどくて力が入らん。このままじゃサブ10.5どころの話やないで・・・」

もういっそのこと歩いてしまおう・・・と何度も何度も思ったが、ここで気を抜くと一気に疲労に飲み込まれ再び走リ出すことが出来なくなりそうなので、体調の復活を信じ、我慢して走って坂を登り続けた。

Kao

【30㎞】1:01/2:50(0:58/2:44)

20キロ台のラップは昨年より3分遅く、累計タイムで6分も遅れてしまった。
この登りでの失速が原因だろう。

ペースを上げて遅れを取り戻したいが、今の体調では、このキツイ登りでペースアップなんて絶対無理。
Vmap_3
峠で脚を休めて体調復活・・といきたいところだが、延々と上り坂は続く。

気が付けば、走っているか歩いているか分からないようなペースまで落ちてしまっていた。

「このままじゃアカン!!」

と、気持ちをリセットするために、一旦脚を止め、その場でしゃがみこみ、地面に手を付き目を閉た。
(レース中、どうしようもなくシンドイとき、よくこれをやります^^;)

呼吸を整えながら、10秒数えて「エイ!」と立ち上がり、再び坂を登る。

ここでフォームを再チェック。

いつの間にか、ペースを意識しすぎて脚をかなり使っている。

脚力で登るのを控え、「腰(軸の回転)だけで登る」フォームに切り替えた。

こうするとペースは落ちるが、上り坂でも脚を休めることが出来る。

腕を大きく振り、重心移動と腰の回転だけで坂を登っていると、さっきの倦怠感が徐々に引いていくのを感じた。

ようやく峠を迎え、ここから40㎞地点まで一気に下る。

Ku

ウルトラ前半の下り坂で無理して飛ばすと、後半に脚が残らず失速する・・・というのは百も承知だが、少しでも失ったタイムを取り戻すためには、今は脚の耐久力を信じて飛ばすしかない。

フォアフットで着地し、着地の度に足裏で地面を掴み、膝から下(足裏と脹脛)のクッションを最大限に活かし、大腿部への衝撃をなるべく抑えるように心がけた。

スピードを上げてガンガン飛ばしながらも、一歩一歩に思考を巡らせながら脚を運ぶ。Vmap_4
37キロあたりで再び小さな峠を越えることになるが、その頃には体調は完全に復活しており、一気に坂を登り切った。

Toge_2

その後の下り坂も、キロ4分30秒~45秒くらいのペースで気持ちよく飛ばす。

ほんの数十分前の絶不調はどこへやら・・・。
ウルトラマラソンでは、たとえ不調に陥っても、レース中に復活出来るのが面白い。
(もちろん、逆もあるけど・・・)

さっき気を抜いてペースを落とさなくてホントに良かった~^^

【40㎞】1:04/3:54(1:02/3:46)

この10キロで2分のタイムを失い、昨年より累計で8分も遅れをとってしまった。
まぁ、途中の体調不良を考えると、2分のタイムロスで済んでよかったと言うべきか・・・。

やっと長い坂を下り終えたと思ったら、再び登りが始まる。

Vmap_5

もう長い間、坂しか走っていないような気がする。

上り坂の途中、ランナーを応援する横断幕と共に、フルマラソンの距離を表す表示があった。

Hur

昨年は確か4時間ジャストくらいで通過したが、今のタイムは4時間10分くらい。

アップダウンを越え、フラットな道を進む。

右手の牧場で、たくさんの牛達がノンビリと草を食べていた。

U

ここから48.5㎞地点のエイドまで、大きなアップダウンはないが、高低図ではわからないほどの勾配がなお続いている。
Vmap_5
大エイド前で少しでもタイムを縮めたいが、ジワジワと気温が上がってきているせいで、ちょっとペースを上げただけで心拍数が一気に上昇してしまう。

ここは無理をせず、マイペースで進むことにした。

エイド手前、子供たちが旗を振りながら、

「あっと少し~で~休憩所!ファイト!ファイト!」

と、大きな声で歌いながら応援してくれていた。

Kod

「ありがとね~!!」

と手を振りながら、通過。
子供たちの可愛い応援のおかげで、ついついペースも上がる。

急坂を登り、食事の出来る大エイドに到着。(4時間48分)

Koj

荷物を受け取り、予め準備しておいた「スポーツ羊羹」を食べた。

たいして食欲はないが、無理して食べても「オエッ」とはならず、すんなり胃に入ってくれる。

暑い日のレースでは、ついついエイドで水をがぶ飲みしてしまい、胃がやられて食事が出来なくなるというパターンが多いのだが、今回は少しずつこまめに水分と塩分を補給をしているおかげか、胃の調子はいいようだ。

トイレを済ませ、エネルギーゼリーを2つウェストポーチに入れた。

Ei2

給水所で、冷たいコーラと氷を頂き、大エイドを出発。

ここから58㎞過ぎまでは、比較的平坦な道が続く。

Vmap_6

隠岐の島のコース上、最も長いフラット区間。

「ここでタイムを稼がなきゃ!」

と、ペースを上げて進んだ。

それにしても、曇り空にしては何だかすごく暑い。
雲を突き抜けて、太陽の熱が身体に突き刺さってる感じ。

これで太陽が出てきたら一体どうなるんだろう・・・。

【50㎞】1:12/5:06(1:11/4:57)

40㎞台は昨年とほぼ同じラップ。
エイドでのトイレ休憩を考えたら、今年のほうが少し速いかも。

昨年はここからの10キロ(50㎞台)で大失速してしまい、10キロ走るのに1時間21分も費やしてしまっている。

走る前から、「タイムを縮めるならこの50㎞台」と考えていたので、ここは多少脚を使ってでも飛ばすことにした。

すでに半分の距離を越えたが、脚の疲労感や痛みは全くと言っていいほど無い。
自分でも不思議なほど脚は元気だ。

50㎞越えてすぐに私設エイドがあり、ヤクルトとパイナップルを頂いた。

Sis

この私設エイド、毎年ここで開いてくれていて、実はちょっと前からヤクルトが飲めるのを楽しみにしていた(笑)

「毎年、ありがとうございます!」

とお礼を言って、エイドを出発。

このあたりは平坦な道のハズなのに、キロ5分半くらいで楽に走れるところもあれば、キロ6分を超えてしまうところもある。

どうやら目では分からないほどの勾配があるようだ。

ずっと先の見渡せるフラットな道が現れた。

Frt

これはこれで精神的に辛い・・・。

実際、多くのランナーがこの区間を苦手としているらしい。
(もちろん僕もその一人^^;)

1045_2

とはいえタイムを狙ってる以上、フラットな道でペースを落とすわけにいかず、無理をしてでも飛ばさなきゃならない。

あぁ、坂道が待ち遠しい・・・(笑)

1058

58㎞あたりで、ついに上り坂が始まった。

Nobo

ここから隠岐の島名物「地獄の3連続アップダウン」が始まる。

ほんの15キロの間に、150m級の峠を3つ越えなければならない。
Vmap_7

上り坂では急勾配のせいでまともに走ることが出来ないため、腕を大きく振りながらファストウォークで進む。

(隠岐の島でサブ10を達成するには、この峠を走って越える走力がなきゃダメなんだろうなぁ・・・。)

【60㎞】1:09/6:15(1:21/6:18)

思惑通り、50㎞台で大幅にタイムを縮めることが出来た。
(ホントは20分くらい縮めたかったけど・・)

といっても、今までの遅れを取り戻しただけで、累計タイムではわずかに3分速いだけ。

すぐに峠を迎えて喜んでいたら、またすぐに登りが始まりガックリ。
(もう7回目というのに、この1つ目の峠の特徴をまだ覚えていないとは^^;)

このあたりから、ついに日差しが強くなってきた。

空を見上げると、雲の間から太陽が覗いている。

Sun

「うげぇ、暑い・・・」

走りながらボトルの水を頭や肩にぶっかける。

エイドごとに氷をもらい、首筋を冷やしながら走った。

Kao2

峠を迎え、一気に坂を下り終えると、すぐに2つ目の峠越えが始まった。

いつの間にか雲は無くなり、カンカン照り。

脱水症状にならないように、水分摂取に比例して塩分を摂るように心がける。

精神的に最も辛い60㎞台で、キツイ峠を越えなければならず、さらにこの暑さが疲れた身体に追い打ちをかけてくる。

「ここを乗り切れれば・・・」

と、歯を食いしばり、黙々と峠を目指す。

首筋を冷やしている氷が溶けて無くなると、一気に体温が上昇し、身体に力が入らなくなる。
風もほとんど無いため、上昇した体温を下げてくれるものがない。

それでも今回のレースは、前半から塩分をしっかり摂っているおかげか、
「発汗 → 水をガブ飲み → 血中塩分濃度低下 → さらに発汗」
という(いつもの)負のスパイラルには陥っていない気がする。

塩分補給、大事とは分かっていたが、こんなに効果があるものとは。

フラフラになりながらも2つ目の峠を越え、急坂を下る。

下り坂とはいえ、暑さと急勾配のためペースが上がらない。

唯一の希望は、脚にほとんどダメージがないこと。
いつもなら60㎞過ぎた辺りから脚が痛み出すのだが。

5月のウルトラ連戦のおかげで、少しは脚の耐久力がアップしたのかなぁ~。

坂を下りきったところのエイドで、果物を食べながら3つ目の峠アタックに備え脚を休める。

50㎞の部に参加している川内選手がそろそろやってくるだろうということで、エイドのスタッフはソワソワしていた。

エイドを出発し、3つ目の峠にアタック開始。
Vmap_6
カンカン照りの山道を、歩いているのか走っているのか分からないくらいのスピードで懸命に登っていると、後ろから低速で走る車のエンジンの音が聞こえてきた。

K1

振り向くと、先導車らしき車の後方に、猛スピードで坂道を駆け上がってくるランナーが見える。

K2

赤いウェアに緑のランパン・・・川内選手だ!

K3

すぐさまカメラを準備し、録画ボタンを押した。
(昨年は録画に失敗したので、今年は何度も練習してきた 笑)

この急勾配の坂道を、まるで平地のようなスピードで走っている。

「川内選手、頑張れ~~~!!市民ランナーの星、頑張れ~~!!」

と大声で応援した。

坂の下に小さく見えた姿が、あっという間に大きくなる。

K4

タッ、タッ、タッと足音を響かせ、横を通り過ぎ、坂を駆け上がっていく。

K5

昨年もこの辺りで抜かされたが、昨年より苦しそうな表情をしている。
やはり暑さのせいだろうか。

「どれくらいのスピードで走ってるんかなぁ?」

と、興味半分で川内選手を追いかけて全力で坂を駆け上がってみたが、1秒たりとも着いていけなかった。(アタリマエだけど^^;)

K6

川内選手の生の走りを間近に観ることが出来、た感動に浸りながら70㎞地点を通過。

【70㎞】1:23/7:38(1:18/7:36)

昨年より5分もラップが落ちている。
累計タイムでの貯金も無くなった。

昨年とそれほど変わらないペースで進んだつもりだったので、5分のタイムロスはかなりショック。

このままペースが落ちると、10時間台さえ危うくなる。

焦ってペースを上げようにも、地獄のような坂と暑さで、全く身体がいうことを訊いてくれない。

エイド毎に氷をもらい首筋を冷やしながら走り、何とか体温の上昇を抑える。

暑さのせいでフラフラになりながらも、ついに峠に辿り着いた。
Vmap_8
ついに後半の難所「地獄の3連続アップダウン」を終え、あとは下るだけ。

「ここからタイムを縮めなきゃ!」

と、遅れを取り戻すべく、ペースを上げて坂を下る。

Tosh0043

そういや、既に70㎞以上走っているのに不思議なくらい脚にはダメージは溜まっておらず、下り坂でガンガン攻めても痛みが全くない。

これも塩分補給の効果だろうか?

坂を下り切り、大エイドに到着。

おしるこ等の軽食があったが、胃に負担になりそうなのでバナナだけで我慢した。

ここからほんの数キロほどはフラットな道。

Tosh0045

山道と異なり日光を遮るものが何もなく、直射日光が身体に降り注ぐ。

しかもフラットな道でペースを落とすわけにいかず、無理してペースを上げるため、身体の芯から熱が籠りだす。

「うぅ、暑い・・・ギンギンに冷えたスイカが食べたい~!!かき氷が食べたい~~!!」

そんなことばかり考えながら走った。

海沿いの道に出た。
なんだか一段と日差しが強くなってきた。

1357

暑さのあまり頭がぼ~っとしてきて、GPSウォッチを見ながらペース配分を考えようにも、うまく計算が出来ない。

まぁ、計算が出来たところで、その通り身体は動かないだろうけど・・・。

【80㎞】1:13/8:51(1:07/8:43)

さらに6分もタイムを失った。
80㎞の通過タイムは、昨年より8分遅い。

これが意味することろは・・・・・

昨年のゴールタイムは10時間51分なので、この先昨年と同じペースで進んだとして、ゴール予想タイムは10時間59分。

つまり少しでもペースが落ちたら、サブ11が達成出来ないということだ。

振り返ってみると、スタートからここまで、昨年のラップを上回ったのは50㎞台だけ。
この先ゴールまでの20㎞、昨年と同じペースを維持するというのは不可能に近いだろう。

いや、仮に可能だとして、この猛暑の中でペースアップとか・・・想像を絶するほどの苦しいランになるのは間違いない。

そんな苦しみに耐えられるのか?

暑さで朦朧とした頭の中に、楽をするための「言い訳」が駆け巡る。

「別に10時間台にこだわらなくてもいいんとちゃう?自分で勝手に決めた目標なんやし・・・」

とか

「今回は7回目の完走というレインボーメダルのかかった記念すべき大会。完走することが目標!ラスト20キロくらいは隠岐の島の景色を楽しみながら走ろう。」

とか

「あと20㎞、苦しい思いをしたところで10時間台は多分無理やろ。それなら苦しむだけ無駄やん・・・」

とか・・。

とりあえず言い訳を全て吐き出した上で、もう一度自分に問いかけてみた。

「記念すべき7回目のレースで、ここで力を抜くことが本当に記念になるん?」

「11時間を切れなかったとして、苦しみながら走ったことが無駄だと感じるのか?」

「もしここでペースを落としてしまったら、ゴール後の達成感なんてあるんだろうか?」

どう考えても、答えはすべて「NO」だ。

ここで踏んばらなきゃ・・・何のために毎日毎日テケテケ走って、何度もウルトラに挑戦し続けているのか分からない。

たいして走力は無くても、気持ちだけは絶対に負けたらアカン!!

もう一度気合を入れ直し、ゴールまでの20㎞をもがき苦しく決意を固めた。

気合を入れなおした直後は、全身に力が漲ぎり、このままゴールまで突っ走っていけるんじゃないかと思えたが、現実はそれほど甘くない・・・。

少しペースを上げただけで、ガッツリと疲労感が襲ってきた。

Kuru

暑い・・・苦しい・・・休みたい・・・

それでも脚が生きているおかげで、フラットな道ならキロ6分を切るペースを維持することは出来ている。

が、ここからが隠岐の島ウルトラのコースががキツイと言われる所以。

フラットな区間は83㎞地点手前で終わり、ここから再びアップダウンが始まり、それがゴールまで続く。

ここにきて、まだ坂を走らなきゃいけないのか・・・・。
Vmap_9

アップダウンと言っても、前半30キロあたりの峠や、後半の3連続アップダウンに比べたら、標高も勾配も大したことはないが、ここまで80㎞以上走った疲労困憊の身体には十分堪える。

登りではどう頑張ってもキロ7分ペースを超えてしまい、その分下りをキロ5分ほどのペースで飛ばし、何とか帳尻を合わせる。

85㎞地点の通過タイム、9時間22分。

この5キロは、ほぼキロ6分ペースを維持することが出来た。

が、かなり無理をしてペースアップしているため、もういつ身体がオーバーヒートして機能停止してもおかしくない。

1356

暑くて、苦しくて、歩きたい気持ちに抗いながら、がむしゃらに走った。

【90㎞】1:03/9:54(1:07/9:50)

80㎞台のラップは、ナント昨年より4分も速い!
この10キロを頑張ったおかげで、少しだけサブ11の可能性が見えてきた。

とはいえ、残り10キロを1時間6分以内で走らなきゃ11時間は切れない。

キロ6分36秒アベレージ、全く余裕なんてない・・・というか、これって間に合うのか?

ちなみに昨年はラスト10キロを1時間2分で走っている。

昨年のあの決死のペースで走って、やっとギリギリ間に合うくらいかぁ・・・想像するのも嫌になる。

そしてラスト10㎞も、もちろんアップダウン。
Vmap_10
休みどころが全くない。

もうユルシテ・・・って感じ^^;

【91㎞】6’31/10:01(6’18/9:57)

登り坂を何とか6分台で走れている。

暑さと疲労で心拍数が上がり、吐きそうなほど苦しい。

もう身体の限界はとっくに超えているが、不思議と脚だけは動いてくれる。
頼もしい相棒だ。

【92㎞】5’55/10:06(6’04/10:03)

勾配が少しだけ緩やかになったのでペースアップ出来た。

痙攣等の脚のトラブルが全くないのが、唯一の救いだ。

【93㎞】7’30/10:13(6’42/10:09)

ちょっとした登り勾配でも脚が動かなってきた。
身体を守るため、リミッターが働いているんだろうか。

これでまた時間に余裕がなくなった。

く、苦しい・・・・あと何分この苦しみが続くんだろう。

いっそのこと、脚が壊れてくれれば楽になれるのに。

【94㎞】6’10/10:20(5’39/10:15)

勾配とペースが連動しているようだ。
登りでペースはガクンと落ち、下りでかっ飛ばす。

もうペースの計算なんてしてる余裕はない。
めちゃめちゃ苦しいけど、とにかく出せる力を出すしかない。

無理なペースアップのせいで、全身から汗が滝のように噴き出してきて、水分補給が追い付かない。

さっきエイドでボトルに入れてもらった水は、頭や肩にぶっ掛けてしまい空っぽになっていた。

脱水気味になり、全身の力が抜けていく。

「の、喉渇いた・・・」

と、ちょうどその時、坂の途中に「私設エイド」が見えてきた。
テーブルには何やら赤いモノが並んでいる・・・スイカだ!!

エイドに駆け寄り、疲労で擦れた声で

「あ、ありがとうございます・・・スイカ頂いていきます!」

と、スイカを両手に掴み、かぶり付きながら坂を進んだ。

Tosh0048

スイカの果汁が口いっぱいに広がり、そのまま喉を流れていく。

「うぉぉ!美味しぃ~~~!!!」

たった2切れのスイカだが、おかげで何とか元気を取り戻すことが出来た。

【95㎞】7’09/10:27(7’02/10:22)

ついに坂を登り切った。

Tosh0047

峠を越え、一気に坂を下ったが、確かもう一度登らなければならないハズ。

Vmap

11時間まで、残り時間33分。
全く気が抜けない。

下り坂、「脚がぶっ壊れてもいい!」という気持ちで、思いっきり飛ばした。

【96㎞】5’25/10:33(5’36/10:28)

坂を下り切り、ここからホントの最後の上り坂。

登りになった途端、もう苦しくて苦しくて、身体が前へ進むのを拒みだす。

峠が見えた。

が、頂上まであと少しというところで、ついに身体が限界を迎える。

頭の司令が、身体に届いていないような感覚。
時折、意識がフッと遠のく。

これ以上無理して走ったら気を失ってしまう・・・とチョット怖くなり、「あの峠まで」と決めて歩くことにした。

なんだか久々に歩いた気がする。
歩くのがこんなに楽だなんて、普段は感じることはないだろう。

たった200m程歩いただけで、体温が下がり、身体の機能がチョットだけ回復してきた。

そして、ついに隠岐の島ウルトラ、最後の登り坂を終える。

【97㎞】7’51/10:41(7’00/10:35)

さっきの登りで歩いたせいで、この1キロは8分近くも掛かってしまった。

ゴールまで3キロ、残り時間は19分・・・1キロあたり6分チョット。

もうペース配分なんて考える余裕もなけりゃ、その必要もない。

とにかくゴールまで飛ばすだけだ!!

下り坂途中にあるエイド、脚を止めたくないためスルーしようと思ったが、エイドの男の子が走りながら上手にコップを渡してくれたので、最後の水を取ることが出来た。

飲もうかどうか迷ったが、水を胃に入れるとリバースしそうなので、頭からぶっかけ身体を冷やした。

何人ものランナーを抜かしながら、下り坂を飛ばす。
と、後ろから一人のランナー追い付いてきて、そのまま追い越して行った。

50㎞の部の女性ランナーだ。
(後から知ったが、女性のトップランナーだった。)

競うつもりは全くなかったが、少しでもペースを上げるためにこのランナーに着いて行こうと思いスピードアップしたら、思ったよりスッとペースが上がり、再び抜き返してしまった。

まだこれほどのペースが出せることに、自分でもチョット驚く。

無理なペースで酸欠気味になりながら坂を下る。

どうやら直ぐ後ろに先ほどの女性ランナーが着いてきているようで、ずっと足音と呼吸が聞こえる。

一言たりとも言葉は交わしていないが、互いの目的は一致しているようで、二人で黙々とペースを上げて坂を下った。

【98㎞】4’56/10:45(5’10/10:40)

坂を下り切り、川を渡る橋の途中で98㎞の標識があった。

下り坂とはいえ、なんと4分台でこの1キロをパス。

残り時間15分、1キロあたり7分半。
ここで初めて10時間台が現実味を帯びてきた。

下り勾配が終わり平坦な道になったが、何だか上り坂のように苦しい。

「ぜぇぜぇ、はぁはぁ」と息を切らしながら必死に走る。

と、気が付けば、真っ直ぐ走っているつもりが右へ右へと身体が流れだしている。

進路を左へ戻そうとしても、また右へフラついてしまう。

「あ・・・こりゃヤバい」

と、後ろを走っている女性ランナーの邪魔にならないように、ペースを落として道の左に寄った。

それを察してか、女性ランナーはスッと抜かして走って行った。

【99㎞】5’20/10:51(4’45/10:45)

ついにあと1キロ。
残り9分、サブ11はもう大丈夫だろう。

沿道からたくさんの人たちが声援を送ってくれている。

手を振って「ありがとう!」を言いたいが、手を上げる力もなく、また声を出そうにも出てこない。

それどころか、だんだん真っ直ぐ走るのが難しくなってきて、何度も沿道に突っ込みそうになる。

曲がり角を誘導するスタッフに

「大丈夫??」

と声を掛けられたが、声が出せず、走りながら首を縦にブンブン振って答えた。

ゴール会場であるレインボーアリーナの手前の、急坂に差し掛かった。

腕を振り、身体を振り、全身で駆け上がる。

あと数百メートルでこの苦しみが終わる・・・。

坂を登り切る直前、ゴール会場でMCが自分の名前を呼んでくれているのが聞こえた。

前にはランナーが居ないようで、何度も何度も名前を繰り返し、エールを送ってくれている。

嬉しいような、恥ずかしいような、そんな気持ちでゴール会場へ入った。

数十メートル先に、ゴールテープが見える。

「やっと終わる・・・」

最後の直線、フラフラと蛇行しながらも、最後の力を振り絞り、両手を広げゴールテープを切った。

Goal

ゴールタイムは10時間57分29秒。

コースベストの更新は達成できなかったが、この苦しみの中、最後まで諦めず10時間台で走り切れたことが嬉しくて仕方なかった。

【ゴール後】

休憩用テントの椅子に腰掛け、氷の入った袋でしっかりアイシング。

いつもなら暑い日のレース後は、脚が痙攣してまともに歩くことさえ出来ないのに、今は全くその気配はない。

塩分補給、もっと早くに気がつけばよかった^^;

アイシングで脚の熱を完全に取った後、預けていた荷物を受け取り、ベンチに腰掛けた。

今回で7回目の完走を達成しレンボーメダルホルダーとなったが、それ以上に、70㎞後半以降の想像を絶する苦しさに耐えて、途中で諦めずに10時間台達成出来たことが嬉しかった。

「サブ10」も「コースベスト更新」も叶わなかったのに・・・なんとも言えない達成感に酔いしれていた(笑)

Me

その後、ランニング中ずっと食べたいと思っていた「カキ氷」を売店で購入。
(ミカン味は正直失敗だった・・・来年はいちごかレモンにしよう)

Kakiko

ゴール会場をウロウロしていると、スタッフの方が写真を撮ってくれた。

Pii

いつもなら、ゴール後は脚が痛くて早々に宿に帰るのだが、不思議なことに今は全然平気。

5月の連戦を越えて、脚が強くなってくれたのかな・・・^^

その後、Wさんがゴールし、これで二人揃ってレインボーホルダーになることが出来た。

Ur

無事記念撮影を終え、会場をあとにした。

【あとがき】

後日追加します・・^^;

« 2013 えびす・だいこく100キロマラソン | トップページ | 第2回美作・後山24時間リレーマラソン(個人の部) »

コメント

完走率、かなり、 ? ? ?

過酷ですねえ、隠岐は !!

> GBDさん

完走率は74%だそうです。

過酷なコースと天気でしたが、景色は綺麗だし、応援はスゴイし、大好きな大会です^^

こんにちは、ゆずぽんさん。レインボーメダル獲得、おめでとうございます。来年の授与式が待ち遠しいですね。

さて、隠岐がこんなに過酷なコースだとは。。。
認識を新たにしました。

ゆずぽんさんの去年の隠岐のレポートも読んでるのに、隠岐はなんだか「楽しそう」というイメージがあったんですよね(笑)。
カキ氷食べてる幸せそうな写真を先に見てしまったのも理由かもしれません。

最後の10kmは、よほどの精神力がないと走破できなかったんじゃないでしょうか。私でしたら途中で100回ぐらいGive upしてることでしょう。。。

ゆずぽんさんの記事を見るたびに「強いひとだな」って思います。
そして、こういう強さを手に入れるためだったら、自分も100km走ってみたいな、とも思います。

まだまだ駆け出しランナーですので、想像もつきませんが。。。笑

次は「24時間マラソン」ですね。
応援してます、頑張ってくださいね!

余談ですが、隠岐ってすごくいいところですね。
「いつか行きたい場所」リストに加えることにしました。。。

>whyilookrosyさん

ありがとうございます!

隠岐はコースはキツイものの、大好きな大会なので、それが伝わっているのかもしれませんね~^^
(カキ氷は至福でした 笑)

いやぁ・・・僕も走りながら100回以上はGive upしてますよ・・・その都度、立ち直っているだけで^^;

「強い」というより「諦めが悪い」だけかも?(笑)

もっともっと練習して、サブ10やサブ9の瀬戸際で葛藤してみたいものです( ̄▽ ̄)

是非、隠岐の島に来てください・・・もちろん100㎞ランナーとして(笑)

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 2013 えびす・だいこく100キロマラソン | トップページ | 第2回美作・後山24時間リレーマラソン(個人の部) »